2013-01-01から1年間の記事一覧
新しき朝は希望の朝たるか疑心暗鬼を祓えよ夜明け /001:新偽物の色に染まりし舌先は滴るように甘くて赤い /002:甘きみたちと世界を繋ぐ纜(ともづな)に各々斧を振り下ろすべし /003:各やがて散る花の命を惜しむれば「それは切り花、もう死んでるわ」 /0…
ギリギリですがゴール!初参加の初心者ですが、共に走っている皆様の姿を励みになんとか最後まで完走することができました。この素晴らしい場所を、設けて、運営してくださっている主催者様に心からの感謝を申し上げます。ヘタレな性分なので、「どなたでも…
止め処なく世界を満たす夕暮れにそれらすべては架空となりて
揺さぶれば濁る言葉を呑み込んで上澄みだけをきみにあげよう
気持ちとは移ろいやすいナマモノで品質保証いたしかねます
早足で過ぎる季節の折々を なすすべもなく立ちて見送る
冬の朝 肌に馴染んだ掛布団 「離れがたい」の一例として
待ち人を待ちぼうけする足下のアスファルトには「止まれ」の文字が
衆目の追尾機能を振りきって走りぬけよう空のはてまで
遠き日のかなしみが住む部屋のドア 忘れてしまえ 鍵も捨てよう
くちづけは局所麻酔かくちびるが痺れて言うべきことを言えない
分水の嶺で別れた彼のひとと鯨の腹の中でまた会う
「唯一」ときみに告げれば「最上」と応えが返る齟齬の悲しき
真緑の壁に出口を見つけたら駆け込めピクトグラムの人影
うなだれて雨に打たれる弱竹(なよたけ)の姿を布団の中から想う
神無しのさやけき月に照らされて薄ぼんやりと浮かぶ道行き
清潔な君の歯列はシャッターでノックをしても決して開かない
みちしるべ 子犬が吠える角を右 たんぽぽが咲く庭を左に
霞立つ野から千鳥は飛び去ってゆめさめてなお聞こえる羽音
もしかしてお腹すいてる? ジェラシーの炎で焼いた餅ならあるよ
ふみはずす さほど柔くはない肌の下を流るる血潮も熱し
ぬるま湯の中で自分の輪郭がほどけて溶ける夢をみている
修羅道が映る四角い窓を閉め今日は一日眠っていたい
現実と絵空事とを間違える 君は悪い子(主に頭が)
大海をさまよう椀の真ん中で一寸法師は途方に暮れる
うっすらと積もった雪のその下はアイスバーンだ油断めさるな
冬空に納戸色したブレザーと赤いマフラー奇跡の調和
『裕福』の定義は“ちょっと良い米”を迷わず籠に放り込めること
自分史上最大級のダメージを避けるすべなくまともに喰らう
そのかどで出会う予定の運命にワルツのステップで回避される