2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧
纜(ともづな)を解いて離れる英断をいつかの遠い明日に誇れよ
普段は滅多に怒らないKが本気で腹を立てている。「拾った犬をまた捨てるみたいな真似を俺にさせるな!」マシンガンみたいにまくし立てる。「しょうがねえじゃん」すきですきになったんじゃない。こういうのは自然災害みたいなもんで、きっと防ぎようがない…
胸元に銃を構えた交渉は不成立にて引き金を引く
ああ、うん。そっか。これ、お前がやったの。「覚えてないけどどこかでぶつけたかなぁ?」って思ってた。知らない間に傷が増えてる事はたまにあるんだ。ちょっとあれみたいだよな。奇跡のやつ。ええと、なんだっけ。そう、聖痕。注意散漫だからだって親には…
僕達はひとつのつがいになりましょう 四の五の言わずイエスって言え
サスペンスドラマが嫌いだ。たかが恋愛で殺したり殺されたりする。馬鹿じゃねえのって思う。少女漫画が嫌いだ。付き合うの付き合わないので泣いたりわめいたり周囲を巻き込んで大騒ぎする。理解できない。嫉妬とか束縛とか恨みつらみとか、そんな面倒臭いこ…
犯人の歯型がついた果物を現場に残す痛恨のミス
昼寝が嫌いだ。あの、目覚めた後の身体の怠さには毎回うんざりする。なのに夜うまく眠れないツケで昼食を食べるといつのまにか眠くなり、用事がなければそのまま寝てしまう。悪循環なのは分かっているが、この循環をどうやって止めればいいのかがわからない…
捨てられたペットボトルに少しだけ残った海で溺れてしまえ
夢を見た。小さな船に乗って懸命にオールを漕ぐ夢だ。どれだけ漕いでも全く進む気配がなくて、よくよく見ると自分が握っていたのはオールではなくアイスの棒だった。水の中に沈む先には『当たり』と書いてある。馬鹿馬鹿しくなって手を離したところで目が覚…
後悔をしたいな舟を漕ぎ出して 海の真中でオールを捨てて
額から滲んだ汗が鼻先からポタリと落ちる。 雫が濡らしたお前の頬を拭おうと思って、うっかり舌が出た。 犬みたいにペロリと。 なんていうかもう、勢いで。