2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

昼ドラ(というか真珠夫人)風に10首(題詠)

三年を過ぎたらきっと実るからどうか待ってと縋る栗の香 031:栗寝室のドアは叩かれわたくしは素知らぬふりで眠り続ける 032:叩連絡もなきまま時は流れ去りわたくしひとりあなたはふたり 033:連絡理由など聞かないままに受け入れる裏切り者の靴を揃えて 03…

040:跡(大島幸子)

わたくしがひとえに守りぬいたもの(跡形もなくほどける身体)

039:鮭(大島幸子)

水底に鰭を打つ鮭わたくしはこの日のために泳いできたの

038:華(大島幸子)

葬列は慣れたものだねかのひとの喪服の上で華やぐ真珠

037:宴(大島幸子)

終宴にシンクの隅で泣き濡れる/淋しい/わたし/たわし/コロッケ

036:ふわり(大島幸子)

純血の名を付けられて暗闇でふわりと香る真夏のリリー

035:因(大島幸子)

習わしに因んで若き切り花の茎を手折って夜店に飾る

034:由(大島幸子)

理由など聞かないままに受け入れる裏切り者の靴を揃えて

033:連絡(大島幸子)

連絡もなきまま時は流れ去りわたくしひとりあなたはふたり

032:叩 (大島幸子)

寝室のドアは叩かれわたくしは素知らぬふりで眠り続ける

031:栗 (大島幸子)

三年を過ぎたらきっと実るからどうか待ってと縋る栗の香