2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧
三年を過ぎたらきっと実るからどうか待ってと縋る栗の香 031:栗寝室のドアは叩かれわたくしは素知らぬふりで眠り続ける 032:叩連絡もなきまま時は流れ去りわたくしひとりあなたはふたり 033:連絡理由など聞かないままに受け入れる裏切り者の靴を揃えて 03…
わたくしがひとえに守りぬいたもの(跡形もなくほどける身体)
水底に鰭を打つ鮭わたくしはこの日のために泳いできたの
葬列は慣れたものだねかのひとの喪服の上で華やぐ真珠
終宴にシンクの隅で泣き濡れる/淋しい/わたし/たわし/コロッケ
純血の名を付けられて暗闇でふわりと香る真夏のリリー
習わしに因んで若き切り花の茎を手折って夜店に飾る
理由など聞かないままに受け入れる裏切り者の靴を揃えて
連絡もなきまま時は流れ去りわたくしひとりあなたはふたり
寝室のドアは叩かれわたくしは素知らぬふりで眠り続ける
三年を過ぎたらきっと実るからどうか待ってと縋る栗の香