2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

なんとなくサスペンス風に10首(題詠)

(この10首は昇順で読まないと意味を成さないのでまとめておきます) 赤錆のにおいをまき散らしながら濡れて転がるバールのような/011:錆流れゆく証拠物件と手掛かり 現場検証雨天順延 /012:延『実の』っていわくありげね 実の父 実の妹 実の隣人 /013:実…

020:央(大島幸子)

中央署 ブラインドには夕焼けを眺めた跡の折り癖があり

019:妹(大島幸子)

「犯人は実の妹なんです」とみのるくんのお父さんは言う

018:援(大島幸子)

謎解きの一歩手前で立ち止まる孤立無援の断崖絶壁

017:サービス(大島幸子)

あやしげな店のサービス券こそが決定的な物的証拠

016:捜(大島幸子)

捜査線上に浮かんだ犯人はこの中にいる(と思う)(たぶん)

015:艶(大島幸子)

ねえもっと触ってと身をくねらせて喉奥鳴らす毛艶の良い猫

014:壇(大島幸子)

祭壇に花を供える白い花 小窓の中の人と目が合う

013:実(大島幸子)

『実の』っていわくありげね 実の父 実の妹 実の隣人

012:延(大島幸子)

流れゆく証拠物件と手掛かり 現場検証雨天順延

011:錆(大島幸子)

赤錆のにおいをまき散らしながら濡れて転がるバールのような

とりあえず10首

今年こそは去年挫折した10首単位で細かく連作するのをやりたいです。 あ、ブログタイトルで何となくお察しいただけてると思いますが、作中主体が私であるとは限りません。 おおむね架空です。フィクションです。最初はぼんやりと学園ものな10首を。 遠い昔を…

010:倒(大島幸子)

体力のゲージ残量30秒 せんせい わたし 倒れそう です

009:いずれ(大島幸子)

永遠は信じてませんカキツバタいずれあやめられる日が来るの

008:原(大島幸子)

ねえ君の原動機付自転車の後ろに乗せて連れていってよ

007:快(大島幸子)

あこがれの 不治の病は苦しくて(いつか快復できるといいね)

006:員(大島幸子)

本年度希望するのは図書委員 螺旋階段を二段のぼる

005:返事(大島幸子)

「おはよう」とひとこときりの返事すら一日分のエナジーになる