2013-07-28 SS:033:夏 SS 山を切り崩して造成された団地の奥の、切り崩されていない森の中で蝉が鳴く。北向きの窓から風と蜩の声が吹き込む夕刻、所々ささくれ立ったタタミに身体を投げ出してKは眠っている。(もしかして) と思ったとことはある。 が、いつだって (まさか) という結論に至った。そうかな。どうかな。まさか、な。薄く汗ばんだ肌に触ってみたいなんて、嘘だろう?