2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

072:産(大島幸子)

もういちど生まれ変わろう柔らかな産毛同士が触れ合う夜に

071:得意(大島幸子)

得意気な笑顔が眩しかったから この暗闇に未だ慣れない

70まで

詠みました。 あと残り30…今月末までに間に合うかな…?ところで70首目の「倦怠に〜」は高村薫の「照柿」を思い出しながら詠みましたよ。

070:柿(大島幸子)

倦怠に炙りだされた情欲が照柿色の夕日に溶ける

069:視(大島幸子)

雪月花 寒さで指がかじかんで視度調整がうまくいかない

068:兄弟(大島幸子)

年上の兄弟が欲しかったなあ って長子なら思いますよね

067:闇(大島幸子)

真夜中の砂漠の井戸の暗闇に小石を投げて深さを測る

065:投(大島幸子)

トンネルを抜けて世界の果てまでも(後逸されし暴投球は)

064:刑(大島幸子)

生きてゆくという軛(くびき)を持つ刑徒(けいと)いづれの日にか露と消えなむ

066:きれい(大島幸子)

炊きたてのご飯と鮭と味噌汁と なんてきれいな朝の食卓

063:以上(大島幸子)

並列な地平にきみは立っている それ以上でも以下でもないよ

062:氏(大島幸子)

この度はご愁傷様この紙に住所氏名をお書きください